こんにちは、なりっぴです。
成田空港会社(NAA)は、航空会社の旅客数に応じてインセンティブを支払う制度を新しく始めるようです。
成田空港、航空会社にインセンティブ 旅客・貨物対象、非航空系収入の拡大狙う
http://www.naa.jp/jp/20170323-incentive.pdf
新制度の概要
航空会社の旅客数が増えて、空港内店舗の売上高が上がれば上がるほど航空会社への還元額も多くなる仕組みです。
成田を利用した旅客数に応じてインセンティブが得られますが、一定の期間で比較して増加した旅客数に応じてさらに上乗せが得られます。
航空会社は旅客を増やすことによって、運賃収入も得られますし、NAAからもお金がもらえるという一石二鳥の制度となるわけです。
成田空港に就航している航空会社が実施する、成田空港の旅客数・貨物量の維持・増加に資するマーケティング活動に対して、各社の成田空港における旅客数・貨物量に応じて、一定額を上限として、マーケティング活動に要する費用の一部を当社がサポートします。
航空会社が成田を利用する旅客数を増やすためのマーケティング費用をサポートするようです。
インセンティブの提供期間は2017年4月1日から2019年3月31日までの2年間で、半期ごとに提供する。航空会社はNAAに対し、マーケティング活動計画と実施報告を提出する。
航空会社はNAAに計画と報告を提出する必要があるため、単なるバラマキというわけではなさそうです。
新規乗り入れ社へのインセンティブはあったが…
成田空港に新規に乗り入れる航空会社に対するインセンティブは2015年に導入されました。
「成田ハブ化インセンティブ」について
http://www.naa.jp/jp/press/pdf/20160427-Incentive.pdf
ハブ化インセンティブは、成田空港にとっての新規乗り入れ会社が新規路線に就航した場合には、初年度の着陸料が100%割引になるという制度です。
これによって、これまで就航をためらっていた航空会社は就航のハードルが非常に低くなったと言えます。
ハブ化インセンティブ導入後、LOTポーランド航空や、イベリア航空、エチオピア航空、香港航空などなど、多くの新規エアラインが成田に就航しました。
しかし、これまで成田空港を支えてきたと言っても過言ではない、既存の航空会社に対する優遇策はありませんでした。ANAはプノンペンやメキシコシティへの新規就航がありましたが、JALは全くなし。
成田を拠点とするLCC各社も、新規エアラインというわけではないのでそこまでのインセンティブは受けられていません。
成田の「ハブ化インセンティブ」、1年目は56社で14.3億円 | 旅行業界 最新情報 トラベルビジョン
さらに今回の新制度は、旅客便だけではなく貨物便を運航する航空会社にも適用されるようですので、これで各社の不満を抑えることができそうです。
航空各社の減便を食い止められるか
昨年はデルタ航空の減便の話題がかなりクローズアップされました。
デルタ航空、「成田離れ・ソウルシフト」の理由 | 週刊東洋経済(ビジネス) | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
1人あたり数十円のインセンティブではもしかしたら焼け石に水かもしれませんが、再びデルタ航空が成田をハブとして頑張ってくれることを期待しています。
まとめ
最近では台北や香港が東南アジアと北米を結ぶ乗り継ぎ空港としての存在感を増してきていますから、成田にはこうしたインセンティブの導入や、施設の拡充を通して日本のリーディングエアポートとして頑張ってもらいたいところです。
航空各社のプロモーションによって、私たちがより安く旅行に行けるようになるといいですね。