日本で最も多く国際線が発着する成田空港。年間約4000万人の旅客が利用している巨大空港だ。
今日はそんな成田空港にまつわる豆知識を集めてみた。
- 成田空港のA滑走路は端から端まで歩くと1時間かかる
- 空港のど真ん中に家が建っている
- 木の根ペンションではなんとフェスが開催されている
- 超VIP用の貴賓室がある
- お金を払えば自分専用の出国審査、手荷物検査ができる
- 実はショッピングセンターとしての売上日本一
- みんな大好き!寿司屋の数、なんと9店舗
- ガチャガチャの売上がすごい
- 成田空港がまるで宝石箱やあ〜
- 空港の消防車は桁違いにパワフル
- アジア太平洋地域では成田にしかない「リカバリーキット」
成田空港のA滑走路は端から端まで歩くと1時間かかる
成田空港のA滑走路の長さは国内最長の4000m。人間の歩く速さを時速4kmとすると、まっすぐ歩いても1時間はかかることになる。これは山手線の上野〜東京駅間よりも長い距離だ。
GoogleEarthより
A滑走路の南の端を東京駅とすると、中間点に最高裁判所、反対の端は信濃町駅にあたる。管制塔の位置には四ツ谷駅があり、新大久保駅くらいまでは空港の敷地内に入ってしまう。いかに空港が広大な土地を必要とするかお分かりいただけるだろうか。
空港のど真ん中に家が建っている
いわゆる駅近物件はみなさんも聞いたことがあるだろうが、なんと空港近物件である。ただし空港近なんてカジュアルに言っていいものかというとそうではなく、成田空港建設に反対する人の所有物件である。
成田空港内にはその歴史的経緯からそういった建物がいくつかあるが、見た目のインパクトが大きいのはこちら。
通称「横堀鉄塔」。誘導路の至近にあるため、航空機に何かしらの被害がないように高いフェンスで囲まれている。高さ10mくらいはありそうである。第2ターミナル展望デッキから見えるし、第2ターミナルからの出発便に乗るとすぐそばを通過するので近くから見ることもできる。
横堀鉄塔のおかげで隣の誘導路が2本とも"くねっと"なっている。
すぐ近くには、「木の根ペンション」という建物もある。こちらも誘導路に四方を囲まれたすごい場所にある。
木の根ペンションではなんとフェスが開催されている
成田空港内で誘導路とエプロンに挟まれた建物、木の根ペンション。周りを随時飛行機が行き交っている。こちらを読むと木の根ペンションがどういう経緯で存在するかなんとなく分かるかと思うが、なんと今年の夏も音楽フェス「タイガー&ドラゴン」が開催されるようだ。繰り返すが、成田空港のど真ん中で音楽フェスが開催される。
今年も、というのは、去年も開催されたから。
タイガー&ドラゴン 2016 [2016-07-17 (Sun) at 木の根ペンション] | クラベリア
何度も言うが、場所はまさかのココである。正直、平常時だと敷地の入口に近づくだけで職質ものなので(空港のど真ん中だし、そもそも私有地だし)、こういう機会に一度行ってみたくはある。
電気グルーヴの石野卓球さんも来るようだし、ものすごくちゃんとしたフェスだ。何と言っても誘導路を走る飛行機を間近で見つつ夜通し飲み明かせるなんて最高なのでは…?(夜中の運航はないが、トーイングによって移動する航空機はそこそこある)
超VIP用の貴賓室がある
ダイヤモンド会員になったからファーストクラスラウンジが使えると言って喜んでいてはいけない。第2ターミナルには本当のVIPが利用するための部屋、貴賓室というものがある。
当然一般客とは完全に動線が分離され、飛行機にもスムーズに乗り込めるようになっている。私もあまり詳しくはないが、こういうときに使用されるようだ。場所も警備などの都合上一般には公開されていない。
航空会社のラウンジのことを中国語で貴賓室と表記するらしく、「成田 貴賓室」と検索すると大量に中国語の案内サイトが出てくるが、こういう写真がアップされていたりもした。
一度は中を覗いてみたいものである。
お金を払えば自分専用の出国審査、手荷物検査ができる
さてVIPといえばたいていはお金持ち、お金持ちといえば自家用ジェットである。成田空港では、自家用のプライベートジェットで海外から入国、または出国して海外へ向かう場合、専用のCIQ施設を利用可能だ。
http://www.naa.jp/jp/b2b/premiergate/bus.html
CIQとは税関・入管・検疫の頭文字を取ったもので、外務省の国賓にでもならない限りは避けて通れないもの(避けて通れるかは知らない)。せっかくプライベートジェットで来たからにはそういった煩わしい手続きもスムーズに済ませたい…ということで、専用に入国審査などを受けられるこの施設が2012年にオープンした。
利用料金はなんと1回あたり25万円。さすがの金額である。自分のためだけに税関・入管・検疫の職員を呼び寄せるのだから当然といえば当然か…?USJでは待ち時間を短縮できるエクスプレスパスが売れているらしいし、ある意味壮大なエクスプレスパスと言ってもいいかもしれない。
実はショッピングセンターとしての売上日本一
成田空港には商業施設としての側面も。繊研新聞社が毎年まとめている全国主要SC売上高ランキングでは2015年度で1位となり、2013年から3年連続で1位を獲得している。
http://www.naa.jp/jp/issue/greenport/2016_12/pdf/01.pdf
こちらの記事によれば、1位の成田空港は2015年度売上高で1,169億円と、2位の御殿場アウトレットの891億円を大きく引き離している。免税・物販・飲食と、幅広い種類の店舗でその売上を上げているようだ。
みんな大好き!寿司屋の数、なんと9店舗
前々からターミナルを歩くとどこにでも寿司屋があるな…とは思っていたが、今年正月に公開されたDPZの記事を読んで確信した。やっぱり多い。
成田空港第1〜3ターミナルと寿司と - デイリーポータルZ:@nifty
第1ターミナル:4店舗(すし京辰、すし遊洛、築地寿司岩、海鮮三崎港)
第2ターミナル:4店舗(すし田、廻る元祖寿司、すし三崎丸、京樽)
第3ターミナル:1店舗(TATSU SUSHI)
この中でも第3ターミナルのTATSU SUSHIは夜22:30までの営業と、かなり頑張っている。カウンターでつまむこともできるし、店頭の折り詰めを買って目の前のフードコートで食べることもできるからオススメだ!
成田空港で深夜開いているレストランのまとめ(2016年12月) - 成田空港を応援したい。
ガチャガチャの売上がすごい
寿司が売れればガチャガチャも売れるのが、日本を代表する国際空港、成田。
成田空港のガチャガチャの場所と簡単な紹介!いつもにぎわっています! - 成田空港を応援したい。
他の場所に設置してあるガチャガチャの3〜4倍の売り上げがあるようだ。たしかに、日本に来た外国人が余った小銭を出国前にちょっとしたおみやげに変えられるのは良いアイデアだと思う。
成田空港のガチャガチャが話題になってから、関空にもガチャガチャがたくさん設置されたようだし、日本全国の空港がガチャガチャであふれかえる日も近い。
成田空港がまるで宝石箱やあ〜
成田空港では原則として夜の23時に航空機の運航が終了する。その後毎日実施されるのが滑走路や誘導路に埋め込まれた航空照明の点検作業。通常であれば23:30から行われているようだ。
この点検の最初には、一度全ての照明の明るさをMAXまで上げるという作業がある。全ての航空照明が明るく光る姿はまるで宝石が散りばめられたかのよう。ただでさえきれいな空港の夜景がさらに輝くのだ!
ちなみに成田ビューホテルの部屋や、マロウドインターナショナルホテル成田の最上階にあるバーから見えるらしい。もし空港が見える部屋に泊まることがあったら、【23:30】という時刻は覚えておいて損はないと思う。
成田ビューホテル屋上は夜11時半に最高の夜景スポットなる! | 旅行情報サイト【タビTS】
空港の消防車は桁違いにパワフル
空港に無くてはならないのが化学消防車。出動回数は少ないに越したことはないが、万が一に備えて24時間体制で待機している。
広い空港敷地内をカバーし、多くの燃料を積んだ航空機の火災に対応するために、その消防車の能力は桁外れにすごい。
最近成田空港にも導入されたのは、アメリカOshkosh社のStriker 6x6という機種。
http://www.naa.jp/jp/press/pdf/20160414-HRETfireengine.pdf
Oshkosh Striker 6x6 | ARFF | Oshkosh Airport Products
ちょっとこのイメージ画像かっこよすぎじゃない!?
HRETと呼ばれるアームを搭載し、高いところや遠くにある目標にピンポイントに放水することが可能。また、滑走路の端での事故にも対応できるようわずか35秒で時速80kmまで加速できる(国際基準では滑走路端まで2分以内に到達することとなっている)し、一分間に5,000Lもの水を放水できるポンプも備えている。
成田空港、「空の日フェスティバル2016」でボーイング 787-8型機と綱引きなど実施 オシュコシュ製ストライカー 6×6ベースの新型化学消防車登場 - トラベル Watch
アジア太平洋地域では成田にしかない「リカバリーキット」
http://desastresaereosnews.blogspot.jp/2012/10/concessionaria-de-viracopos-estuda.html
リカバリーキットとは、航空機が事故を起こして動けなくなった際に速やかに機体を移動させるための機材の総称で、機体を下から持ち上げるためのエアバッグやジャッキ、上から吊るすためのスリング、機体の姿勢を安定させるためのワイヤーロープなどから成る。
IATP(International Airlines Technical Pool)という世界中の航空会社が加盟する団体のメンバーで分担して所有しており、世界中でも11か所しか配備されていない。日本ではJALが持っており、成田空港のハンガー内に保管している。
十数年前にノースウエスト航空機がグアムで胴体着陸した事故の際にも成田のリカバリーキットが活躍した。
ノースウエスト航空74便胴体着陸事故 - Wikipedia
最後の方は少しマニアックになってしまったが、一つでもへぇ〜と思っていただけたら幸いです。