なかなか衝撃的なニュースです。
ノートPCの機内持ち込み禁止、米国発着の全便に拡大も | ロイター
PC持ち込み禁止、国際線全てに拡大も - Bloomberg
国際線でPC全面禁止も=「航空機に新たな脅威」―米 (時事通信) - Yahoo!ニュース
現在は、中東/アフリカの10の空港を発着してアメリカに向かう国際線(直行便)を対象に、ノートPCやタブレット端末の機内持ち込みが禁止されています。その空港からアメリカ行きの便に乗る旅客は、ノートPCを預け入れ荷物として貨物室に預けなければなりません。
これが、米国発着の全便に拡大するかも?というニュースです。
(追記)
2017年7月17日、電子機器機内持ち込み禁止措置が全面的に解除されました。
7月18日、日本の空港でも米国行き便の旅客を対象に電子機器の爆発物検査が開始されました。
(追記終わり)
時系列順に追っていきましょう。
2014年7月6日 米政府、米国行き直行便の一部で、電源の入らない電子機器の機内持ち込み制限
Enhanced security measures at certain airports overseas | Transportation Security Administration
電子機器を機内持ち込みするときは、必ず充電すること:米国便のセキュリティー対策|WIRED.jp
電子機器の形を借りた不審物が持ち込まれないように制限しました。
2016年4月1日 リチウムイオン電池の「航空貨物」としての輸送制限の強化
ICAO、リチウムイオン電池の預け入れを禁止 機内持ち込みは可能 - トラベルメディア「Traicy(トライシー)」
ICAO(国際民間航空機関)により、リチウムイオン電池単体での航空機貨物室への預け入れに大幅な制限がかかりました。
ただし、従来通りリチウムイオン電池を内蔵する電子機器の預け入れは、一定容量以下のものであれば可能です。
JAL - 最近ニュースで報道されているようですが、リチウム電池、リチウムイオン電池は手荷物に入れて預けられないのですか。
JAL、ANAともに、本体に内蔵され、160Wh以下の容量のリチウムイオン電池は機内持ち込みも預け入れも可能です。
MacBook Pro 15インチで76.0Wh、Surface Pro4で約40Whなので、ほとんどのノートPCやタブレットはおそらく引っかからないと思われます。
2017年3月21日 米政府、一部地域からの電子機器の客室持ち込み禁止
米政府、一部地域からの電子機器の機内客室持ち込み禁止 英国も追随 (ITmedia NEWS) - Yahoo!ニュース
対象となった空港は以下の通り:
AMM/アンマン(ヨルダン)
IST/イスタンブール(トルコ)
CAI/カイロ(エジプト)
JED/ジッダ(サウジアラビア)
RUH/リヤド(サウジアラビア)
KWI/クウェート(クウェート)
CMN/カサブランカ(モロッコ)
DOH/ドーハ(カタール)
DXB/ドバイ(UAE)
AUH/アブダビ(UAE)
実際に影響を受けることになるのは、ロイヤル・ヨルダン航空、エジプト航空、トルコ航空、サウジアラビア航空、クウェート航空、ロイアル・エア・モロッコ、カタール航空、エミレーツ航空、エティハド航空だ。この9社は、合計で1日あたり50便のアメリカ行きフライトを運航している。
この禁止令が対象にしているのは、前述の空港からアメリカに直行するフライトのみであり、影響を受ける航空会社や空港の所在国はなんの関係もないと、政府関係者は強調していた。その一方で、対象となる空港とアメリカの空港間で直行便を運航しているアメリカの航空会社は一社もないため、国内の航空会社は禁止令の影響を全く受けないということにもすぐ気がつく。
米電子機器持ち込み禁止令の対象はイスラム教国からの直行便―、航空会社9社に影響 | TechCrunch Japan
米系の会社は中東直行便を運航していないため、実質的に米航空会社への優遇策ではないかとの批判もありました。
5月6日 ターキッシュエアラインズ、ビジネスクラス客向けにノートPC貸し出し開始
ターキッシュエア、ノートPC無料貸出 米英行きビジネス、電子機器持ち込み制限で
ビジネス客が他社の(欧州など)経由便に流れないように対策したものと見られます。
5月18日 欧州・米国間の国際線にはPC持ち込み可能:米国とEU代表が合意
欧州発米国行き、ラップトップ機内持ち込みは今後も可能に - BBCニュース
EU本部内での会議の末、合意しました。
5月28日 米国発着の全ての国際線で持ち込み制限開始か?
ここで冒頭の衝撃とも言えるニュースにつながります。先日合意したばかりなのに。
ノートPCの機内持ち込み禁止、米国発着の全便に拡大も | ロイター
PC持ち込み禁止、国際線全てに拡大も - Bloomberg
実際どうなるんでしょう?
航空各社ともビジネス客で稼いでいるようなものですから、機内環境を良くするためにWi-Fiを整備したりしてきたのに。
今回の談話は実際には世間の反応を見るという観測気球的な発言のような気もしますが、万が一実施されることになったらかなり大変です。
空港の保安検査では、ノートPCを持ち込もうとする乗客がアメリカ行きかどうかいちいち確認する必要があります。ただでさえ人が足りなくて混雑しているのに、この上さらに責任を背負わされたら大変です。
話題の空港の保安検査についてあれこれ調べてみた結果。 - 成田空港を応援したい。
機内でなるべく多くの時間PCを使いたい人は、例えば日本からアメリカに行く場合、いったんカナダやメキシコで乗り継ぐお客さんが増えるのでしょうか?
もしかすると太平洋線ではエアカナダの乗客が増えたりして?それともみんなそんなに機内でPCは使わない?「これで機内で仕事しなくて済む」と思うビジネス客の方が多かったりして。