前々から思っていたんだけど、成田空港内の道路には信号が多い。いや、多すぎる。しかも、リムジンバスやターミナル連絡バスはその信号を抜けていかなければならない。
例えば都内からバスに乗り第3ターミナルで降りたい場合、バスはT2→T1→T3の順に停車する。T1→T3の距離が長い上に信号も多く、T2で降りてT2→T3行きの連絡バスに乗り換えた方が早いかもしれないと思うくらいだ。
具体的に見ていこう。
成田空港へ向かうバス
見づらい図で申し訳ないが、水色の線がバスの通るルート、○印が停留所(各ターミナル)、オレンジ色の「!」が信号を表している(以下同じ)。
空港へ向かう場合、バスは出発ロビーの階に停車する。出発ロビーはT1,T2ともに上の階にあるが、出発階同士を直接つなぐ道路はなく、ターミナル間ではいったん地上レベルに下りて走行する。
都心方面から高速道路を走ってくると、最初の分岐をT2方向に曲がり、T3の前をかすめてからT2に最初に停車する。T3に行きたい乗客は、次にT3の前に戻ってくるのは約10分後。
図を見ると分かるが、T1→T3では最大6箇所の信号にひっかかる可能性がある。
T1出発階からは信号無しで高速道路に直接入れるルートがあるため、そこからなんとかしてT3につないでくれれば…と思わなくもない。
T3に行くなら、T2出発階のどの位置にバスが停まるかにもよるがターミナルの北の端まで走ってエレベーターで1階に降り、連絡バスに乗り込めばそのままバスに乗っているより早いかもしれない。リムジンバスはT3まで距離のあるバス停に着くが、連絡バスはT3のすぐ前に着くからである。一度何かの機会にやってみたいとは思っている。
【バスの方が速い】成田第3ターミナルへは無料の連絡バスに乗るべき! - 成田空港を応援したい。
成田空港を出発するバス
成田空港を出発するリムジンバスに乗る場合、バスは到着階に停車する。こちらの方は成田空港行きよりも通過する信号の数が少ない分いくらかスムーズかもしれない。
が、落とし穴としては「到着階の方がハイシーズンに車が混雑しやすい」ということが挙げられる。出発客は人と荷物さえ下ろしてしまえば車がいなくなるが、到着階は「車が先に来て人が着くのを待つ」という行為をする車がとても多くなるからだ。
実際に昨年夏の帰国ラッシュの時期には、T1到着階に向かう車が集中し、上図の右半分のルートに車があふれてしまいリムジンバス・連絡バスにものすごい遅延が発生した。T2→T1へバスで20〜30分以上かかったのではないだろうか。T1から出発するお客さんが、T2→T1に向かう途中でバスを降り、何十人もがスーツケースを引いて車道を歩いていたくらいである(実話)。
そのときの空港へ寄せられたクレームが凄まじかったのか、11月には空港側が対策を取る旨発表した。
http://www.naa.jp/jp/press/pdf/20161124-douro.pdf
上図で言うと、右下のカクっとなっているところの手前部分を2車線に拡幅するらしい。空港発のバスの所要時間が多少短くなるだろうか?期待である。
ターミナル連絡バス
空港内をぐるぐる循環するターミナル連絡バス。一説にはターミナル間を移動する空港スタッフの利用がほとんどという噂もあるが、T1に国際線で到着してT2からJAL国内線に乗る人だって利用する。
T2→T3のバスは以前所要時間が大幅に短くなった記事を書いたのでそちらをご覧ください。
【バスの方が速い】成田第3ターミナルへは無料の連絡バスに乗るべき! - 成田空港を応援したい。
ここでは、その次に本数が多く利用客も多いと思われる、T1→(東成田駅)→T2→T1の連絡バスについて書く。
このバスもT2→T1間では最大3箇所、T1→T2間では最大5箇所の信号にひっかかる可能性がある。しかも空港内の道路は40km/h制限となっているため、T1→T2へ向かう長い直線では制限速度を守ってちんたら走るバスが信号にほぼ100%ひっかかる。信号サイクルを40km/hに合わせて改善したらどうかとも思うが、信号の管轄は警察なので、空港側と警察が面倒な協議をする必要があるらしい…
羽田空港はT1とT2の到着階をつなぐ道路に信号はほとんどない(各ターミナルに1箇所ずつ、団体バス乗降場に渡るための横断歩道とその信号があったように思う)。
空港内の道路のわかりやすさで言えば、圧倒的に羽田が勝っている。羽田空港のサイトにも書いてあるが「迷ったら到着階の循環車線をひたすらぐるぐる」すればいいのだ。
成田は、T1,T2ともにうっかり迷い込むと高速道路に入りそのまま帰ってこれない道というのが存在する。都内から来た不慣れなタクシーが客を乗せたまま入り込み、Uターンもできずそのまま数km離れた富里ICまで行ってしまい、乗客が飛行機に乗り遅れて激しくトラブるという事案がたまに発生するとかしないとか。。。
せめて連絡バスはスピードアップしてほしい
さすがにこれから大規模に空港内の道路形状を改良するというのは無理だろうから、例えばターミナルをつなぐ連絡バスに専用機器を設置し、信号機が連絡バスの接近を感知して青信号になるという仕組みを導入してはどうだろうか。
「高速性」「安定性」を重点に置いて運行する環七シャトルバスは、平成22年10月31日から環状7号線の鹿本中学校前から国道357号線間でPTPS(公共車両優先システム:Public Transportation Priority Systems)を導入。PTPSは、信号を制御することによりバスを優先的に通行させることができるシステムで、定時運行の確保を図ります。
身近なところで言うと、東京都の東側、環状七号線を南北に縦断する「シャトルセブン」はこのシステムを搭載しており、信号制御で優先的に通行できる。
同じく環七を走る羽田空港→葛西・小岩方面行きのリムジンバスも、優先的に通行できるようになっている(一度乗ってみたい)。
公共車両優先システム(PTPS)について|社会的な取り組み|会社情報|リムジンバスの東京空港交通
成田を発着する全リムジンバスを優先させていると収拾がつかなくなると思うので、とりあえずはターミナル連絡バスのスピードアップということで。
道路の改良には多額の費用がかかるだろうが、信号機改良とバス車載器なら数千万円程度あればできるのでは?ぜひ検討をお願いしたいところである。